本当に出さないといけないの?薬局で保険証を提示する意味は?
薬局に処方箋を持っていくと、はじめに「保険証はお持ちですか?」とスタッフさんが聞いてきますね。散々病院で待たされたのに、面倒くさいなあ、それよりも早く薬の用意をしてくれ、なんてお思いになるかもしれません。
また、病院で保険証を提示するのはなんとなく分かるけれど、薬局まで見せる必要があるの?保険証を出すのはいいとしてもなくされたら困る、などの色々な考えがあるかもしれません。
今回は薬局で保険証を提示することで、お客さんにとってメリットがあるのか考えていきます。
この記事の目次
薬局での薬の受け取りのお金の仕組み
薬局で薬を貰うときにお金がかかるのが一般的です。成人の方なら3割負担、子どもは2割の負担などなど。これは保険の合計金額に対する割合です。
例えば保険合計が10000円だとすると3割負担では、患者さんは3000円の支払いになるのです。保険合計は薬局でかかった全ての金額ですが、では残りの7割分(今の例だと7000円)はどこからお金が出ているのでしょうか。
この7割分は、患者さんが加入している社会保険または国民保険により薬局側へ支払いがあります。この保険によって残りの分の支払いがされるのがポイントです。
薬局側の保険証の確認の意味
薬局(又は病院)側の話ですが、患者さんの保険番号が分からない場合は大変な事態になります。たとえ患者さんから自己負担分をもらっても、保険番号が不明なら残りの金額を請求することが出来ません。
自己負担金額以上の薬を患者さんに当然渡していますから、確実に損になってしまいます。請求できない状況が繰り返されれば薬局自体の経営が困難になってしまいます。
おおげさかもしれませんがつぶれる可能性もあります。
もちろん病院で保険証の提示を求められているはずですから、処方箋にも保険番号の記載があります。これをもとに請求することが出来ますが、病院での番号の登録が間違っていたり、保険の切り替えの時期が把握できていなかったり、万が一の状況も考えられるのです。
薬局側の経営面からは保険証の確認が必須となります。
では、患者さんにとってのメリットはあるでしょうか?
薬局のスタッフさんに保険証の提示を求められたら素直に見せるのが一番です。少しわずらわしいかもしれませんが、月に1回や保険証を変更したときのみ提示を求める薬局もありますので、それほどの頻度ではないはずです。
逆に、見せなかった場合に例えば処方箋に記載された保険番号が実際のものと異なると、後日に確認の電話がかかってくるとか、再来局を求められる場合も考えられますので、時間が無駄になったり手間になったりします。
この時間の無駄や手間がなくなる可能性が高いのがメリットといえるでしょう。
また、最悪の場合に全額実費で支払いを求められる可能性もあるので、保険証を提示してすぐに返してもらうのが一番安心、安全です。お読み頂きありがとうございます。
この記事から言えること
・保険証を薬局に提示することは知らずと自身の支払額の割合を減らしているということ
・薬局に保険証の提示を求められたら素直に見せてすぐに返してもらうのが良い